紙幣の材質は何?日本のお札とポリマー紙幣の違い
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紙幣の材質は何?日本のお札とポリマー紙幣の違い

日本のお札は、みつまたやアバカ(マニラ麻)などを原料とする特殊な紙でできています。一方、海外には綿を原料とする紙幣や、プラスチックの一種を使った「ポリマー紙幣」もあります。紙幣の材質は、国や発行するシリーズによって異なります。

この記事では、日本と海外のお札の材料、紙の紙幣とポリマー紙幣の違いを整理します。最後に、店舗や外貨を扱う窓口で、紙幣の材質と機器対応を確認するときのポイントを紹介します。

日本のお札は何でできている?普通の紙との違い

国立印刷局の説明によると、日本銀行券の用紙には、みつまたやアバカなどが使われています。みつまたは和紙の原料としても知られ、アバカはマニラ麻とも呼ばれる植物繊維です。

お札の用紙には、繰り返し折られたり、機械に通されたりする使用環境に耐える強さが求められます。さらに、独特の手触りや精巧なすき入れ(すかし)も備えています。印刷された図柄だけでなく、用紙そのものにも役割があるのが、身近な印刷用紙との違いです。

海外のお札を含めて「紙幣はすべて同じ紙でできている」と考えると、材料の違いを見落とします。日本の特殊用紙、綿を使った用紙、ポリマーを分けて見ると分かりやすくなります。

紙幣の材質を国・地域別に比較

代表的な例を、デザインではなく材料と対象となる紙幣で比べてみましょう。

国・地域 材質・原料 対象・補足
日本 みつまた、アバカなどを使った特殊用紙 日本銀行券の用紙。国立印刷局が原料を説明しています。
ユーロ圏 綿繊維の紙 第1シリーズとエウロパ・シリーズ。ECBは純綿繊維の用紙と説明しています。
オーストラリア ポリマー 1992~1996年に全券種のポリマー化を進め、現在もポリマー紙幣を発行しています。
英国(イングランド銀行) ポリマー 同行が現在発行する5・10・20・50ポンド券。英国の他の発行銀行とは区別しています。
フィリピン 綿・アバカを使った用紙の例と、ポリマー 従来の紙の紙幣に加え、ポリマー紙幣シリーズを展開。券種・シリーズで確認が必要です。

出典:国立印刷局、欧州中央銀行(ECB)、オーストラリア準備銀行(RBA)、イングランド銀行、フィリピン中央銀行(BSP)。2026年9月21日確認。

フィリピンのアバカ紙幣から分かること

BSPの2002年の研究紹介「Abaca in Philippine Banknotes」には、綿80%・アバカ20%の紙幣用紙を開発し、2001年シリーズで初めて採用したことが記されています。

これは、紙幣用紙の強度などを検討した当時の事例です。現在のフィリピン紙幣すべてがこの配合という意味ではありません。同じ国でも紙の紙幣とポリマー紙幣があるため、国名だけでなくシリーズまで見ることが大切です。

紙の紙幣とポリマー紙幣は何が違う?

ポリマー紙幣は、薄く柔軟なプラスチックのフィルムを基材とする紙幣です。イングランド銀行のポリマー移行に関する解説では、紙の紙幣によく使われる綿繊維に対し、ポリマー紙幣の材料としてポリプロピレンを挙げています。

耐久性と水・汚れへの強さ

RBAは、ポリマー採用の利点として耐久性や清潔さを挙げています。BSPも、自国のポリマー紙幣について、水や油、汚れに強い表面を特徴として説明しています。ただし、寿命は券種や使われ方でも異なり、すべての国で同じ年数使えるわけではありません。

偽造防止の仕組み

イングランド銀行の現行ポリマー紙幣には、大きな透明窓があります。一方、ECBはユーロ紙幣のすかしや埋め込まれた糸が用紙の一部を構成すると説明しています。材料によって、組み込める仕組みや確認する特徴も変わります。

ただし、「ポリマーだから本物」「紙だから偽造されやすい」と材質だけで判断することはできません。真偽を確認するときは、発行機関が案内する複数の特徴を確認します。

手触りと取り扱い

海外のお札を受け取ったときは、手触りが日本のお札と違うことだけで異常と判断せず、その通貨の発行機関が示す特徴を確かめましょう。取り扱いに迷う場合も、日本のお札と同じ方法でよいと決めつけず、発行機関の案内を確認します。

なぜ、すべての国が同じ素材を使わないのか

紙幣の材料を選ぶときには、耐久性だけでなく、偽造防止、製造・交換の費用、機械への対応なども検討されます。イングランド銀行も、ポリマー移行に際して素材や偽造防止技術を調べ、現金取扱業界と準備を進めた経緯を公表しています。

日本やユーロ圏のように、紙の用紙と印刷技術を組み合わせた紙幣もあります。ポリマーを採用した国の利点を、そのまま別の国の条件に当てはめることはできません。材料の名前だけで優劣を決めず、紙幣全体の設計と使われる環境を見る必要があります。

キャッシュレス化は決済手段の変化、素材の選択は現金を安全に流通させるための設計の問題です。この記事で紹介した材料の違いを、「キャッシュレス化によって紙からポリマーに変わった」と一括りにすることはできません。

店舗や外貨窓口で、紙幣の材質をどう確認する?

国立印刷局は、日本のお札にも機械処理への適性が求められると説明しています。店舗や窓口で紙幣計数機を使う場合は、材質の知識を次の確認につなげると役立ちます。

  • 通貨・券種・シリーズを確認する。例えば「フィリピンペソに対応」と聞くだけでなく、手元の紙幣が紙かポリマーか、どのシリーズかを伝えて対応状況を確認します。
  • 紙幣の状態を見る。新品だけでなく、日常業務で扱う折れや汚れのある紙幣についても、取扱説明書で認められた状態・投入方法を確認します。
  • 何を確認したいかを分ける。機械に通ること、枚数を数えること、金種を識別して金額を集計することは別の確認項目です。

紙幣の素材名だけでは、特定の計数機で使えるかどうかは分かりません。対応する通貨データ、使用モード、紙幣の状態も含めて確認してください。

表示結果の違いは「紙幣計数機は枚数だけ?合計金額・混合金種・多通貨の違い」で解説しています。日本の新紙幣への機器対応については、新紙幣と紙幣計数機の確認ポイントをご覧ください。

扱う紙幣に合う計数機を確認したい方へ

MORICASHへのご相談時には、扱う通貨と紙幣のシリーズ、枚数確認か金額集計か、現在使っている機器があればその型番をお知らせください。具体的な紙幣と業務内容をもとに、対応状況を確認します。

MC

この記事について

本記事は、MORICASH(株式会社モウリ)が国立印刷局や各国の発行機関の公開資料をもとに、紙幣の材料と取り扱い時の確認事項を整理したものです。個別機種の対応通貨・券種は、ご相談時に確認してください。

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