硬貨処理の専門性は、速く数えることだけでは測れません。大量の硬貨から対象外のものを検知し、計数・選別結果の信頼性を保てるかも重要です。MORICASHの実例をもとに、異物が混ざる理由、機械が検知できる範囲、導入前に確認したい機能を整理します。
MORICASHは、実際の硬貨処理で、対象外硬貨やメダル、硬貨に似た物体など、複数の種類を検知してきました。
実際に処理する硬貨は、いつも同じ金種だけがきれいにそろっているとは限りません。対象外のものを検知・選別・排出できるかは、機種、設定、硬貨の状態によって異なります。
「珍しい硬貨が見つかったこと」より重要なのは、対象外のものに気づき、計数・選別結果の信頼性を保てることです。
複数の検知事例から、代表的な2例を紹介
1928年の Ireland / Saorstát Éireann 1d / Pingin 硬貨
硬貨処理中に見つかったものの一つが、1928年の Ireland / Saorstát Éireann 1d / Pingin 硬貨です。片面にはハープ、もう片面には雌鶏の図柄が見られます。
現在の日本国内で日常的に扱う流通硬貨ではありません。MORICASHは、この硬貨を「高価な古銭」や「鑑定済みの希少硬貨」として紹介するものではありません。この記事では収集価値を判断せず、長期間保管されていた外国硬貨が、現代の硬貨処理に再び入ってくる可能性を示す実例として取り上げます。

硬貨計数中に見つかった1928年の Ireland / Saorstát Éireann 1d / Pingin 硬貨。本記事は収集価値や真偽を鑑定するものではありません。
複数金種の人民元硬貨に混ざっていたゲームメダル
別の事例では、複数金種の人民元硬貨を処理している際に、流通硬貨の中へ混ざっていたゲームメダルを機械が検知しました。
ゲームメダルは古い硬貨ではなく、必ずしも悪意をもって混入したものでもありません。しかし、処理対象の通貨ではありません。色、直径、外観が流通硬貨に近い場合、回収、保管、集中計数の流れの中で一緒に投入されることがあります。

複数金種の人民元硬貨の処理中に検知されたゲームメダル。「硬貨のように見えるが、処理対象の通貨ではないもの」の実例です。
外国硬貨やゲームメダルは、なぜ混ざるのか
対象外の硬貨やメダルが計数工程に入る理由は、必ずしも故意とは限りません。長期間の流通、保管、回収、集中処理の中で起こり得る、現実的な問題です。
異物混入が硬貨処理に与える影響
対象外硬貨や異物を適切に分けられないと、計数結果の照合、金種別の選別、その後の現金処理に影響することがあります。
- 計数結果の再確認が必要になる:対象外のものが一緒に投入されると、目的の硬貨だけで枚数や金額を照合し直す必要があります。
- 処理が途中で止まることがある:機種や設定によっては、警告、停止、またはリジェクト先への排出が行われます。
- 目視確認の負担が増える:スタッフの経験だけに頼ると、古い硬貨、外国硬貨、メダルの判断が担当者によって変わる可能性があります。
- 必要な機種が変わる:硬貨を速く数えることと、対象外硬貨を検知・選別・排出することは、異なる運用要件です。
MORICASHが重視するのは、これらを単なる「珍しい硬貨の話」で終わらせることではありません。異常に早く気づき、再確認の負担を減らし、実際の硬貨環境に合う機器を選べる状態にすることです。
硬貨計数機は、どこまで検知できるのか
硬貨計数機と硬貨選別計数機では、できることが異なります。枚数を高速に確認することを主な目的とする機種もあれば、複数の金種を識別しながら計数し、対象外硬貨や異物を検知する機種もあります。
MORICASHでは、高速計数を重視したモデルから、複数金種の選別、対象外硬貨の検知、リジェクト排出に対応するモデルまで、複数の硬貨計数機・硬貨選別計数機を用意しています。
ただし、一つの製品が持つ機能を、シリーズ全体の共通仕様として案内することはできません。センサー、選別通路、リジェクト構造は機種によって異なります。検知できる対象や検知後の動作も、機種、設定、硬貨の状態によって変わります。
機械は、設定した対象硬貨との違いを検知して選別できますが、古銭の価値を査定するものではありません。また、リジェクトされた硬貨を、そのまま偽造硬貨と断定することもできません。
硬貨処理機器の導入前に確認したい5つの条件
普段、どの硬貨を処理するか
国、金種、投入前に金種別へ分けているかを確認します。単一金種の計数と、複数金種を混ぜた状態からの選別では、必要な機械構成が異なります。
外国硬貨やメダルが混ざることがあるか
小売店、アミューズメント施設、自動機器を扱う現場、一般事業所では、混入しやすいものが異なります。実際に見つかったものを選定条件に含めます。
最終的に、どの結果が必要か
総枚数、金種別明細、合計金額、物理的な選別、リジェクト結果のうち、業務に必要なものを先に決めます。
1日に、どの程度の硬貨を処理するか
処理量、使用回数、投入口の容量、設置スペースによって、適した製品タイプが変わります。速度だけで判断しないことが大切です。
対象外硬貨を検知した後、どう処理したいか
警告、停止、リジェクトボックス/ポケットへの排出のどれが必要かを確認します。機種ごとの動作を同じものとして考えないようにします。
あらかじめ分けた硬貨を速く数えたいだけなら、複雑な選別構造が不要な場合もあります。複数金種、外国硬貨、ゲームメダルの混入が日常的な課題であれば、検知・選別・リジェクト機能を重点的に確認します。
よくある質問
外国硬貨が混ざった場合、硬貨計数機で検知できますか?
一部の硬貨選別計数機は、直径、厚さ、材質、色などの違いから、設定した対象硬貨以外のものを検知できます。対応範囲と検知後の動作は機種や設定によって異なるため、すべての硬貨計数機が同じように検知できるわけではありません。
ゲームメダルは自動で排出できますか?
対象外硬貨の検知機能とリジェクト構造を備えた一部の機種では、検知したメダルや異物を別の位置へ排出できます。特定のメダルを安定して検知できるかは、その寸法、材質、使用する機種によって異なります。
機械が対象外として検知した硬貨は、偽造硬貨ですか?
必ずしも偽造硬貨とは限りません。外国の正規通貨、ゲームメダル、記念硬貨、摩耗や変形のある硬貨、その他の金属物である場合もあります。検知は、対象硬貨とそれ以外を分けるためのもので、最終的な真偽判定や価値の鑑定ではありません。
硬貨計数機と硬貨選別計数機のどちらを選べばよいですか?
硬貨がすでに金種別に分かれており、短時間で枚数を確認したい場合は、計数型から検討できます。複数金種を混ぜた状態で処理し、対象外硬貨の検知・選別・排出まで必要な場合は、硬貨選別計数機の機能を確認してください。
実際の硬貨環境に合う機能を選ぶ
取り扱う国と金種、1日の処理量、複数金種を混ぜるか、外国硬貨やゲームメダルが混ざることがあるかによって、必要な機能は変わります。
まずは、MORICASHの硬貨計数機ラインナップと比較表をご覧ください。判断が難しい場合は、処理する硬貨、1日の数量、必要な計数・選別結果をお知らせいただければ、用途に合う候補を絞り込むお手伝いをします。