答えは、機種によります。枚数だけを数える機種もあれば、金種を識別して合計金額まで計算できる機種もあります。
たとえば、100枚の紙幣を通して画面に「100」と表示されても、その100枚が合計いくらなのかまで分かっているとは限りません。
千円札・五千円札・一万円札が混ざっている場合、合計金額を出すには、紙幣を1枚ずつ金種認識する必要があります。
また、「多通貨対応」と書かれていても、日本円・米ドル・ユーロを同じ束に混ぜて計数できるとは限りません。複数の通貨データを搭載していても、計数前に通貨を1つ選ぶ方式もあります。
「紙幣を機械に通せること」と「現場で必要な集計結果を得られること」は、同じではありません。
紙幣計数機を選ぶときは、処理速度だけでなく、機械が何を識別し、最後にどのような結果を表示するのか、対象外の紙幣をどう処理するのかを確認することが大切です。
最初に確認したい違い:金種を認識するか
紙幣計数機がすべて枚数だけを数えるわけではありません。一方で、すべての機種が混合金種の合計金額を自動計算できるわけでもありません。まず、枚数を数える「Count」と、金種を認識して金額を集計する「Mix」を分けて考えます。
枚数計数:答えは「全部で何枚か」
枚数計数機の主な役割は、機械を通過した紙幣の枚数をすばやく確認することです。
たとえば、千円札だけを100枚そろえた束であれば、機械は「100枚」と数えれば十分です。紙幣の金種があらかじめ分かっているため、金額は後から計算できます。
しかし、千円札・五千円札・一万円札を混ぜた状態で「100枚」と表示されても、合計金額は分かりません。金額を求めるには、機械が各紙幣の金種を識別する必要があります。
操作者が先に金種を設定し、「枚数 × 設定金種」で金額を表示する機種もあります。この場合、紙幣は事前に同一金種へ仕分けておく必要があります。
混合金種計数とは?
混合金種計数とは、同じ通貨の中で異なる金種を識別して計数する機能です。
千円札・五千円札・一万円札を混ぜて投入した場合、機種によって次のような結果を確認できます。
- 紙幣の総枚数
- 金種ごとの枚数
- 金種ごとの小計
- すべての紙幣の合計金額
レジ締めや日次精算で、事前に金種別へ仕分ける作業を減らしたい場合に向いています。
ただし、「混合金種を識別して金額を集計すること」と「異なる金種を別々の束に分けること」は別の機能です。後者には、選別モードと紙幣を分けて受ける構造が必要です。
「多通貨対応」で確認したい5つのこと
「多通貨対応」という表現には、複数の意味が含まれることがあります。
- 複数の通貨データを搭載し、計数前に1通貨を選択する
- 投入した紙幣から現在の通貨を認識し、その通貨を計数する
- 異なる通貨を同じ束に混ぜ、1枚ずつ認識して通貨別に集計する
3つ目は「多通貨混合計数」または「Multi-Mix」と呼ばれることがありますが、すべての多通貨対応機に搭載されているとは限りません。ホテル、免税店、外貨を扱う窓口では、次の5点まで確認しておくと選定しやすくなります。
1. 現在の仕様で、どの通貨に対応しているか
「最大で複数通貨を搭載できること」と「納品時点で必要な通貨がインストールされていること」は同じではありません。
同じ通貨でも、新旧シリーズや紙製・ポリマー製など、どの紙幣データが現在のソフトウェアに含まれているかを確認する必要があります。また、搭載済み通貨、枚数計数だけが可能な通貨、Multi-Mixで同時処理できる通貨は分けて確認します。
2. 計数前に通貨を手動で選ぶ必要があるか
よくある方式の一つは、最初にJPYを選んで日本円を数え、米ドルを処理するときはUSDへ切り替える方法です。
店舗ですでに通貨を分けて保管し、1回につき1通貨だけを処理するなら、手動選択は分かりやすい方法です。一方、1日に何度も通貨を切り替える現場では、操作回数と選択ミスが増える可能性があります。
3. 「通貨自動認識」は、どこまで自動なのか
通貨自動認識には、少なくとも2つの考え方があります。
一つは、最初の紙幣から通貨を判断し、その後も同じ通貨として処理する方式です。途中で別の通貨が入ると、停止またはリジェクトされる場合があります。
もう一つは、紙幣を1枚ずつ判別し、同じ束に日本円・米ドル・ユーロが入っていても通貨別に集計する方式です。こちらが一般に想像される多通貨混合計数に近い動作です。
4. 日本円・米ドル・ユーロを同じ束に混ぜられるか
この違いは、計数前に人が通貨別へ仕分ける必要があるかどうかに直結します。
多通貨混合計数に対応していない場合、日本円・米ドル・ユーロを3つの束に分け、通貨モードを切り替えて順番に処理します。Multi-Mixに対応している場合は、指定された範囲内で異なる通貨を混ぜて投入し、通貨別に集計できる可能性があります。
ただし、機械に搭載されているすべての通貨を、同時に混ぜられるとは限りません。「多通貨対応」と「全対応通貨の同時混合」は分けて考えます。
なお、円・ドル・ユーロは通貨単位が異なります。通貨別の金額を表示できても、自動的に為替換算して一つの総額を出すとは限りません。
5. 通貨ごとの結果を表示・記録できるか
通貨を認識できることは第一段階です。日次精算や引き継ぎに必要な形で結果を確認できるかも重要です。
- 通貨ごとの総枚数
- 通貨ごとの合計金額
- 各通貨の金種別明細
- リジェクトされた紙幣と理由
- 計数結果の印刷、出力、保存
一方、画面で確認できることと、結果を保存・印刷・PCへ出力できることは別です。プリンター、外部ディスプレイ、PC接続、履歴保存などが標準かオプションかも確認します。
この5点を確認すると、「多通貨」という曖昧な表現を、実際の業務フローに必要な機能へ置き換えて比較できます。
金種認識・疑わしい紙幣の検知・物理選別は別の機能
これらは同じ製品説明に並ぶことがありますが、役割は異なります。枚数計数とセンサーによるチェックが別設定になっている機種もあるため、使用するモードで何が有効になるかを確認します。
金種認識
紙幣の額面を判断し、金種別の枚数、小計、合計金額を計算するための機能です。
疑わしい紙幣の検知・セキュリティチェック
機種、対象通貨、設定に応じて、異常または疑わしい紙幣を検知し、警告します。使用されるセンサーや処理方法は機種によって異なります。
機械が警告を出したことは、紙幣の真偽を最終的に保証するものではありません。どの通貨を確認したいか、警告時に停止するか、別のポケットへ送るかまで確認します。
物理選別とリジェクトポケット
物理選別は、設定外の金種、別通貨、疑わしい紙幣を、計数後にどこへ送るかに関わる機能です。
1ポケット機では対象外紙幣が出るたびに停止する場合があります。2ポケット機では、対応するモードで対象外紙幣をリジェクトポケットへ送り、メインの計数を継続できる場合があります。
ただし、2ポケットであっても、どのような状態の紙幣でも停止しないわけではありません。リジェクト対象と停止条件は、機種とモードごとに確認します。
4つの業務場面で整理する
| 業務場面 | 主な目的 | 候補となるモード | 導入前の確認 |
|---|---|---|---|
| 小規模店舗・飲食店 | 金種別に整理済みの紙幣を、すばやく数えたい | 枚数計数(Count) | 枚数だけを表示するか。金額表示は手動で金種を設定した換算か |
| 一般企業・中規模店舗 | 混在した日本円をそのまま投入し、明細と総額を確認したい | 混合金種計数(Mix) | 現在の日本円データ、表示項目、異常紙幣が出たときの動作 |
| ホテル・免税店・外貨窓口 | 日本円と外貨を、通貨別または混合で処理したい | 通貨選択、自動通貨認識、Multi-Mix | 現在の対応通貨、ソフトウェア、複数通貨を同時投入できるか |
| 高頻度の現金処理 | 対象外紙幣による中断を減らし、連続して処理したい | 2ポケット Sort & Reject | リジェクト条件、各ポケットの容量、停止するケース |
必要な機能を決める3ステップ
投入する紙幣を確認する
- 紙幣は金種別に仕分け済みか
- 同一通貨の異なる金種が混ざるか、通貨も混ざるか
- 日本円が中心か、米ドルやユーロなども扱うか
- 折れ、破れ、テープ、湿気、重なり、摩耗のある紙幣が多いか
ここで、機械が何を認識する必要があるか、どのような搬送・異常処理が必要かが見えてきます。
必要な結果とセキュリティ要件を分けて考える
- 総枚数だけでよい
- 合計金額が必要
- 金種別の枚数と小計が必要
- 通貨別に集計したい
- 設定外の金種・向き・疑わしい紙幣を分けたい
- 印刷、データ出力、結果保存が必要
併せて、どの通貨に対してセキュリティチェックが必要か、疑わしい紙幣を検知した際の動作も別項目として確認します。
毎日の業務フローに戻して確認する
- 1日に処理する枚数と使用回数
- 事前の金種別・通貨別仕分けを許容できるか
- 対象外紙幣が出るたびに停止してもよいか
- 連続処理、加算、バッチ、印刷、出力が必要か
- 設置場所、清掃、日常メンテナンスをどう行うか
- 導入前のデモ・借用・レンタル、導入後の国内サポートが必要か
まず機能の種類を決め、その後で速度、容量、本体サイズ、具体的な機種を比較すると、選定の順番が整理しやすくなります。
MORICASH製品で候補を絞るなら
- 紙幣を金種別に仕分け済みで、主に枚数を確認したい:M30 卓上型紙幣計数機
- 日本円の混合金種を計数し、金種別明細と合計金額を確認したい:M40 混合金種紙幣計数機
- 複数の外貨を扱う:M55 多通貨対応紙幣計数機の現在の対応通貨と計数モードを確認
- 処理頻度が高く、対象外紙幣による中断を減らしたい:M165 ダブルポケット式紙幣計数機のリジェクト条件を確認
MORICASHの紙幣計数機一覧もご覧いただけます。処理速度、容量、本体サイズ、使用頻度を含む詳しい比較は、紙幣計数機の正しい選び方をご確認ください。
購入前に確認したい7つの質問
- 紙幣の枚数だけを数えますか。それとも金種を自動認識しますか。
- 合計金額は自動認識の結果ですか。手動で設定した金種との掛け算ですか。
- 同じ通貨の異なる金種を混ぜて投入できますか。
- 多通貨対応とは、手動選択、自動通貨認識、多通貨混合計数のどれですか。
- 設定外金種、別通貨、異常紙幣が入った場合、停止しますか。リジェクトポケットへ送りますか。
- どの通貨のセキュリティチェックに対応し、疑わしい紙幣をどう通知しますか。
- 印刷、データ出力、ソフトウェア更新、国内サポートは必要ですか。
「高速」「多通貨対応」「複数センサー搭載」という説明だけでは、実際の業務に合うかは判断できません。投入条件、必要な結果、異常紙幣の処理まで具体的に確認することが大切です。
よくある質問
枚数計数機でも合計金額を表示できますか?
金額の出し方によります。操作者が金種を選び、「枚数 × 設定金種」で金額を表示する機種もありますが、混合された金種を自動認識しているわけではありません。異なる金種をそのまま投入したい場合は、混合金種計数に対応しているか確認してください。
混合金種計数と紙幣選別は同じですか?
異なります。混合金種計数は、金種を識別して枚数と金額を集計する機能です。紙幣選別は、設定外金種や異常紙幣を別の出口へ送る機能です。
多通貨対応なら、日本円と米ドルを一緒に数えられますか?
必ずしも一緒に数えられるとは限りません。計数前に通貨を選ぶ方式や、現在の通貨だけを自動認識する方式もあります。異なる通貨を同時に混ぜたい場合は、Multi-Mixの対応範囲を確認してください。
金種を識別できれば、真偽も判定できますか?
同じ意味ではありません。金種認識は金額集計のための機能で、疑わしい紙幣の検知は別のセキュリティ機能です。機械の警告は最終的な真偽を保証するものではなく、対象通貨と検知方法も機種ごとに確認が必要です。
MORICASHへ相談するとき、何を伝えればよいですか?
主に扱う通貨、金種や通貨が混ざるか、1日のおおよその処理量、必要な集計結果、停止を許容できるか、印刷・出力・選別が必要かをお知らせください。条件が具体的なほど、用途に合わない機能を早く除外できます。
必要な結果を整理してから、機種を選びましょう
紙幣計数機の違いは、処理速度や対応通貨数だけではありません。投入前に仕分けが必要か、必要な金種と通貨を認識できるか、対象外紙幣をどう処理するか、結果を日々の精算へそのまま使えるかが重要です。
枚数計数、混合金種計数、多通貨計数のどれが必要か分からない場合は、主な通貨、混合の有無、1日の処理量、必要な結果をMORICASHへお知らせください。用途に合わせた候補の整理に加え、デモ機の借用やレンタルについてもご相談いただけます。
一円も間違わずに、一秒も無駄なく、MORICASHがやります。